2025/06/30
治療内容
自由診療による根管治療期間
1ヶ月治療回数
3回費用
精密根管治療相談 5,500円(税込)
患者様は70代の女性、主訴は『奥歯がうずいて痛い』というものでした。
レントゲン写真では右下の奥歯に明らかな神経の問題は見つかりませんでしたが、お口の中を精査したところ、右下の1番奥の歯(前から7番目の第二大臼歯)が痛みの原因と1番考えられました。そこで右下7番目の被せ物を除去して見ました。除去してみると神経におよぶ虫歯が認められ、根の中に細菌が侵入して神経が炎症を起こしいるのが判明しました。
①カウンセリング
当院では保険診療でももちろん根管治療を行っておりますが、より精度が高く、成功率の高い治療を患者様が希望されたため、今回は保険外の自由診療で精密根管治療を行う方針としました。
自由診療と保険診療の大きな違いは1人の患者様により長い診療時間を確保し、より念入りな繊細な処置が可能になるということです。
それにより必然的に根管治療(根の治療)の成功率も上がります。
②根管治療
まずはラバーダムというゴムのシートで治療中に根の中に細菌が入らないようにします。
歯の根の中に細菌が侵入するというのは皮膚で言うと、皮膚に穴が空いてそこから骨の中に細菌が入っていくようなものですので、ラバーダムはとても大切な処理になります。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いて、最初に虫歯菌によって感染してしまった歯質を徹底的に除去します。
その後、針のような器具や超音波や強力な洗浄剤を用いて、根の中を徹底的に洗浄していき、きれいな状態になったことを確認します(マイクロスコープ下での治療です)。
これは中の様子です。
通常の根管は円柱状ですが、下の歯の根は樋状根と言って、Cの字状の形をした場合もあります。
このような根の形をしていると、マイクロスコープと超音波チップを用いた治療でなければ、根の中を正確に綺麗にすることができません。
その後、水酸化カルシウムというアルカリ性の薬剤を入れて根管内を消毒したあと、1回目の治療は終了します。
③根管充填
後日、水酸化カルシウムを綺麗に取り除き、ガッタパーチャというゴムのお薬で根の中を緊密に封鎖します。
緊密な封鎖をすることで根の中に残った細菌の繁殖や外からの侵入も防ぎます。
こちらが根の中のお薬を詰めた写真になります。
④築造
外部から根の中へ細菌が侵入してこないように防ぎ、被せ物ができるように接着性の樹脂で根に蓋をして土台を立てます。
こちらが治療後のレントゲン写真になります。
患者様は術前のような痛みがなくなり、元通り噛むことができるようになりました。
・根管治療は根の中の細菌を取り除く治療であり、目に見えない細菌が相手の治療になります。
また根の中の神経の入っている根管というトンネルは非常に複雑な形態をしており、根の中を無菌化するのは不可能と言われております。
したがって、根管治療を行なったからといって確実に治癒する保証はありません。
通常の根管治療で症状の改善・治癒が確認できない場合は、外科的歯内療法(歯根端切除術)を行う場合があります。
・精密根管治療は保険外の自由診療での治療となります。
・保険内の根管治療も行なっておりますので患者様のご希望に応じて治療が可能です。
歯の根は非常に複雑な形をしており、またマイクロスコープを用いたとしても細菌を目で確認することまではできません。
目で見えない部位に関しては、強力な洗浄剤や消毒のお薬を用いて極力根管内の細菌が少なくなる努力を行います。
したがって、根管治療は非常に時間のかかる治療となるため、十分な診療時間の確保に加え、CT・マイクロスコープ・ラバーダムやより良い治療器具を用いた、保険外の精密根管治療を選択することで、治療の成功率を上げることが可能です。
保険診療による根管治療も決して悪い治療ではありませんが、保険診療で何度も通院して長期間の治療を行っている場合などは、逆に根の中に細菌が侵入するチャンスが長くなってしまっている可能性も高いです。
自由診療を選択することでご自身の歯の寿命を伸ばすことができる可能性が高まりますので、ぜひ選択肢の一つとして考えていただければ幸いです。
「他院で根の治療を行ったが改善がみられない」「何度も通院しているが、なかなか治療が終わらない」など、歯の根の治療でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談にいらしていただければと思います。
スタッフ一同お待ちしております。
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