2026/08/31
, インプラント

治療内容
左側下顎大臼歯部のインプラント治療期間
およそ1年治療回数
7回費用
インプラント手術 253,000円(税込)
患者様は40代男性の方で、検診で来院された際に、「左下のブリッジに違和感がある」「腫れているような感じがする」とのことで、左側下顎臼歯部のブリッジについて詳しく検査を行いました。
口腔内診査およびパノラマX線写真による検査を行ったところ、ブリッジと歯の境目に虫歯が認められ、歯に穴が開いている状態でした。
さらにX線検査では、左側下の第一大臼歯に過去にヘミセクション(歯を分割し、一部を抜歯する治療)が行われており、歯の中に太く長い金属製の土台が入っていることが確認されました。
後日、虫歯の状態を詳しく確認するためにブリッジを外したところ、患者様ご自身の残っている歯が非常に少なく、虫歯をすべて取り除くと十分な歯質を残すことが難しい状態であることが分かりました。そのため、患者様に現在の状態と今後の治療方法についてご説明し、抜歯を行うこととなりました。

①抜歯
ブリッジを外した当日に抜歯を希望されたため、局所麻酔を行い、丁寧に抜歯を行いました。
抜歯後の治療について患者様に不安があったため、後日あらためて時間を設け、それぞれの治療方法について詳しくご説明しました。
主な治療方法として、
・ブリッジ
・インプラント
・入れ歯
の3つの選択肢について、それぞれのメリット・デメリットをご説明しました。
患者様は、
・しっかりと噛めること
・できるだけ隣の歯を削らないこと
・清掃しやすいこと
を特に重視され、十分に検討されたうえでインプラント治療を希望されました。
② CT撮影・診断
今回は患者様のご都合もあり、抜歯後すぐにインプラントを埋入するのではなく、抜歯した部分の治癒を十分に待ってからインプラント治療を行うこととなりました。
抜歯から6ヶ月後にCT撮影を行い、インプラントを埋入する部分について、
・骨の高さ
・骨の幅
・骨の形態
・インプラントを埋入するための十分な骨量があるか
などを詳しく確認しました。その結果、インプラント治療は可能であるものの、一部で骨の量が不足していることが分かりました。
そこで、骨造成(インプラントを埋入するために不足している骨を補う処置)を併用することで、インプラント治療が可能であると判断しました。

③ インプラント治療
治療当日は、あらためてインプラント治療の内容や注意事項についてご説明し、同意を確認したうえで治療を開始しました。
局所麻酔を行い、インプラントの埋入と骨造成を行いました。
治療時間は1時間弱で、処置後にはX線写真を撮影し、インプラントが計画した位置に埋入されていることを確認して治療を終了しました。

④ 型取り
通常、インプラントが十分に結合するまで3~4ヶ月程度待ってから、被せ物を製作するための型取りを行います。患者様とのご都合もあり、今回のケースではインプラント埋入から5ヶ月後に型取りを行いました。
⑤ 被せ物の装着
最終的な被せ物にはジルコニアクラウンを使用しました。
完成した被せ物の形態や噛み合わせを確認・調整し、インプラントに装着しました。
今回は、必要に応じて取り外して調整やメインテナンスを行いやすいよう、ネジで固定するタイプの被せ物を使用しています。
治療後、患者様からは「左側でもしっかりと噛めるようになった」とお喜びいただきました。また、患者様が希望されていた「清掃しやすい状態」についても、天然歯と同じようにブラッシングやフロスによるセルフケアを行える状態となり、治療後の状態にご満足いただいています。
今後は、インプラントを長く良好な状態で維持できるよう、定期的なメインテナンスを行いながら経過を確認していく予定です。
・インプラント治療は健康保険が適用されない自由診療です。
・患者様の全身状態や顎の骨・歯ぐきの状態などによっては、インプラント治療が適さない場合があります。
・インプラント治療には、外科処置に伴う腫れ・痛み・出血などが生じる可能性があります。
・骨造成を行う場合には、処置部位の状態によって治療期間が延長する場合があります。
・インプラント治療は、長期的な使用を保証するものではありません。
・インプラント周囲炎などにより、インプラントを支える骨が失われる可能性があります。
・インプラントを長期的に良好な状態で維持するためには、毎日の適切なセルフケアと定期的なメインテナンスが重要です。
今回の症例では、ブリッジを支えていた歯に重度の虫歯が生じており、虫歯を除去すると十分な歯質を残すことが難しい状態でした。
ブリッジは歯を失った部分を補う有効な治療方法の一つですが、支台となる歯に負担がかかることや、ブリッジと歯の境目などに汚れが蓄積すると、虫歯のリスクにつながる場合があります。今回の患者様は、抜歯後の治療方法についてそれぞれのメリット・デメリットを理解されたうえで、「しっかり噛めること」「隣の歯を削らないこと」「清掃しやすいこと」を重視し、インプラント治療を選択されました。
また、抜歯後すぐにインプラントを埋入するのではなく、十分に治癒を待ってからCTによる診断を行い、必要な部分には骨造成を併用することで、より計画的に治療を進めることができました。
ただし、インプラントがすべての患者様に適しているわけではありません。骨の状態、噛み合わせ、全身状態、口腔内の清掃状態などを総合的に確認し、それぞれの患者様に適した治療方法を検討することが重要です。
歯を失った場合の治療には、ブリッジ・入れ歯・インプラントの選択肢があります。大切なのは、「どの治療が一番良いか」を一方的に決めることではなく、それぞれの治療方法の特徴やメリット・デメリットを理解し、ご自身の希望やお口の状態に合った治療方法を選択することです。
また、今回のようにブリッジを支える歯に虫歯ができてしまうと、治療の選択肢が限られてしまう場合があります。ブリッジを入れている方も、痛みや違和感がなくても定期的に検診を受け、ブリッジを支えている歯や周囲の状態を確認することが大切です。
「ブリッジに違和感がある」「歯ぐきが腫れている気がする」「噛みにくくなってきた」など、わずかな変化でもお気軽にご相談ください。
港南台パーク歯科クリニック副院長 野上
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港南台パーク歯科クリニック
副院長 野上

国立新潟大学歯学部卒/千葉大学医学部附属病院歯科・顎・口腔外科にて研修修了
所属・修了:ストローマンインプラントBasicコース修了/JIADSペリオコース修了/5-D Japan アドバンスコース 修了/他
患者様一人ひとりのお悩みやご希望に寄り添い、安心して治療を受けていただけるオーダーメイドな治療の提供を心がけています。
お口の健康を通じて、皆様の豊かな生活をサポートできるよう努めてまいります。
【症例】歯根破折した前歯に対するインプラント治療
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