2021/07/15
こんにちは。港南台パーク歯科クリニックです。
今回は「先天性欠如歯」についてお伝えします。
人間の歯の数は、乳歯で20本、永久歯では28本で、親知らずを含むと最大32本あります。
しかし、永久歯が生まれつき足りないことがあり、これを「先天性欠如歯」といいます。歯の先天性欠如は病気ではなく、形成異常の一つです。早期発見をすることで、今後の対応を考えることができます。
では、先天性欠如歯になる原因や、どのようなリスクがあるかなどをご紹介したいと思います。
永久歯の元となる歯胚(しはい)が、何らかの理由で作られないことで発生します。はっきりとした原因は分かっていませんが、以下のことと考えられます。
先天性欠如歯は、少数の歯が足りない「一部性歯牙欠如症」と、多数歯にわたり欠如がある「全部性歯牙欠如症(無歯症)」に分けられます。
では、どのくらいの確率で起こるのでしょうか。
2010年11月に行われた日本小児歯科学会の調査によると、約10人に1人という比較的高い確率で起こることが分かりました。
出所:日本小児歯科学会学術委員会 日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査より
乳歯では上下顎乳側切歯(前から2番目の歯)、永久歯では上下顎第三大臼歯(親知らず)、次いで上顎側切歯(前から2番目の歯)、上下顎第二小臼歯(前から5番目の歯)、下顎中切歯(前から1番目の歯)などで、第一大臼歯(前から6番目の歯)が欠如することは稀であると言われています。
歯がない状態が長期間続くため、抜けた両隣の歯が倒れこんだり、噛み合うはずの位置の歯が伸びてきたりします。他にも、次のようなことが起こります。
・咀嚼障害
・歯列、顔貌への影響
・発音障害
・顎関節への影響 など
幼少期からの歯科検診が大切です。先天性欠如歯は、かかりつけの歯科医院や学校検診で指摘されるまで、本人や保護者も気づかないことが多いようです。
よって、かかりつけの歯科医院を見つけて診てもらうことをおすすめします。歯科医院でレントゲン写真を撮影して確認することで、歯の生え変わりが順調に進んでいるか、顎の骨に異常がないかなど、口の中全体の状態が分かります。定期的な確認は、生え変わりを予測・観察しながら、歯を健康に保つことに役立ちます。
また、乳歯の前歯に癒合歯(2つの歯が1つになっている歯)がある、奥歯が乳歯のままいつまでも残っている、両親のどちらかに先天性欠如歯がある場合は、先天性欠如歯の発生確率は高くなります。その他、乳歯がなかなか抜けない、永久歯が生えてこないといった場合も、先天性欠如が疑われます。
日頃からご自身の歯に関心を持つことも、早期発見の1つの手段と言えるでしょう。先天性欠如歯は長期的な治療計画が必要なため、「おかしいな」と思ったら早めに歯科医院を受診しましょう。
本来抜けるはずの乳歯がまだ残っている場合、その乳歯は虫歯になりやすく、かつ進行しやすいため、将来的に虫歯が原因で歯を失うリスクも高いです。乳歯を抜けるまで残しておく場合は、歯科医院での定期的なケアと管理が大切です。
もし乳歯が抜けてしまったら、下記の治療を行うケースが多いです。
・補綴的治療…ブリッジ、インプラント、入れ歯で永久歯がない部分を補う
・矯正治療…矯正治療をすることにより、永久歯がない部分のスペースを閉じる
(永久歯の先天性欠如が6歯以上だと、保険適応になります)
先天性欠如歯に適切な対応をすることは、安定した噛み合わせを作り、よく噛める歯にするには、必要な手段です。
このブログを見て「もしや先天性欠如歯…?」と疑うことがあれば、ぜひご相談ください。
港南台パーク歯科クリニックでも月に一度、矯正治療の専門医による、歯科矯正相談を受け付けております。できるだけ早く発見し、治療計画を立てていきましょう。ご来院をお待ちしております。
下記のページもご参照ください。
港南台パーク歯科クリニック|小児歯科
港南台パーク歯科クリニック|矯正治療
港南台パーク歯科クリニック|噛み合わせ・マウスピース